刈払機の過去記事に質問あり

『共立SRE2610を使っています。最近、振動がすごいです。おいておくとものすごく動いていってしまいます。クラッチかと思い、分解、清掃しましたが、改善されません。始動、ふけあがりは問題ないのですが、手がしびれます。どこをみたらいいでしょうか?』
 
質問への回答
『刈払機振動の要因は、クラッチ摩耗・ヘッドギア摩耗・刈刃の偏芯・シャフトの曲り等が考えられます。残念ながら現物を見ないと診断は不可能です。』
とは返事しましたが少々気になるので詳しく記載します。
 
(クラッチ摩耗)
クラッチシューが摩耗するとエンジンを高速にしないとクラッチが継りません。
すると当然ながらシューの摩耗が激しくなり振動の原因になります。
 
(ヘッドギア摩耗)
ヘッドギア内部の傘歯車やベアリングが偏摩耗すると振動の原因になることがあります。定期的なグリスアップが必要です。
 
(刈刃の偏芯)
刃の偏芯による不規則な回転。チップソーの刃が欠けてくると重心位置が狂い、振動の原因になります
そのまま使い続けると振動により本体損傷の恐れがあります。

エンジン停止状態で刈刃を手で回し、惰性でムラなくスムーズに回ればOKです。

(シャフトの曲り等)
シャフトの曲がりも振動の原因になります。パイプは真っ直ぐに見えても、シャフトスプライン摩耗・欠損、パイプ内のシャフト支持部摩耗も影響します。
 
(その他)
過去に一例だけ点火コイル失火によるエンジン振動がありました。
共立SRE261、点火コイル新品交換で修理したのですが一年で同じ故障が再発。
この機種特有の欠陥だったようです、後継のSRE2610やSRE2310では解決している模様。
 
(蛇足)
草刈りシーズンが終わり、来春まで刈払機を使わない方も多いと思います。次回気持ちよく再始動させるためには、
◎燃料タンクを空にしてエンジン自然停止までアイドリング。
◎エアーブロー又はパーツクリーナーでキャブ周辺を洗浄。
◎ヘッドギアへグリスを注入。
◎回転部へスプレーグリス等を注油。
◎雨や直射日光の当たらない風通しの良い場所へ保管。
を、お勧めします。
 
抜き取った混合燃料は、洗浄用にでも転用しチェンソーや刈払機には使わないほうが安心でしょうね。