調子の悪いチェンソーのチェックポイント

◎燃料交換、タンク内洗浄、燃料フィルタ交換

タンク内の燃料を廃棄して洗浄後、新鮮な混合燃料を給油
燃料フィルタを点検、汚れていたら交換。
燃料ホースの劣化・亀裂等を点検、不良があれば交換。
◎エアフィルタ洗浄
汚れたエアフィルタはエア吸入量が減少し、高速が頭打ちになります。
◎点火プラグ交換
汚れたプラグは点火不良や失火の原因、指定の型番新品に交換。
◎点火コイル、フライホイル洗浄
フライホイルのマグネット部と点火コイルの非接触面が錆等で汚れると点火不良の原因になります。
エアブローで点火コイルへ汚れが回り込むこともあるので要注意。
◎キャブ分解清掃、フラム類交換
フラム類が経年劣化で硬化していたら交換。
パーツクリーナーでフラム類を洗浄するとゴムがパリパリに変質するので要注意。
 
2サイクルオイルの働き
1、摩擦を減らす減摩作用。
2、圧縮および燃焼圧力を保つ密封作用。
3、燃焼と摩擦による熱を逃がす冷却作用。
4、エンジン内部をクリーンに保つ清浄分散作用。
5、錆を防ぐ防錆作用。
6、燃焼による衝撃荷重を分散する応力分散作用。
これらの作用がひとつでも欠けてしまえば、エンジン本来の性能が損なわれてしまい、寿命を縮める原因になります。
2サイクルオイルの重要性
 2サイクルエンジンが、4サイクルエンジンと根本的に異なるのは明確な吸排気行程を持たない事と、独立した潤滑機構を持たない事にある。
 吸入しながら圧縮を行い燃焼爆発ガスを排気しながら新混合気を吸入する、単純機構のなかに非常に複雑な行程と機能を持たせた軽量エンジンである。
 潤滑機能を混合気に含まれる潤滑油に頼るしかない為、特殊な能力を持ったオイルが要求される。混合気に容易に混ざり、ベアリング、シリンダ、ピストンの潤滑を行い、燃焼室のなかではきれいに燃え尽きる必要がある。例えば、潤滑能力ばかりが強調されたオイルであれば非常に燃焼しづらいものになり、燃えカスが堆積してしまう。逆であれば潤滑能力に不安が残る。非常に厳しいバランスが要求されるのである。そこに、メーカーの技術が発揮される。
 現在は厳しい排ガス規制により、使われているのはチェンソーや刈払機等の農機類に限られてきた。
 殆どのユーザーはメンテナンスに時間も費用もかけない。そのためにエンジン内部では想像を絶する苛酷な事態が起きている事が多い。そのような条件の元でも、しっかりとエンジンを守っているのだ。もちろん、メーカーの研究成果が盛り込まれた、高い信頼性と安定した技術の賜物である事は言うまでもない。
 チェンソーにとっては安定性が最も重要である。どんな時でもすぐにエンジンは始動し、ストレスなくすぐに使える。長期間にわたってトラブルフリーである事。そんな贅沢な要求を満たすためには間違いのないオイルを選ぶ必要がある。
 いま、最も信頼のおける2サイクルエンジンオイルは、スチールのHPウルトラとハクスバーナのXPオイルである。
少々高価なのでスチールのHPスーパーやハスクのLSで充分とは思います。
 現在、環境問題から2サイクルエンジンは極めて厳しい立場に追い込まれています。しかし、この不思議な機構の軽量エンジンがこのまま廃れるのはあまりにも惜しい。有効な排気ガスの浄化装置が開発されてクリーンな2サイクルエンジンになる事を期待したい。

 

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